本格ミステリー=緻密な論理性

『島田荘司のミステリー教室』島田荘司 書いちゃうか?書いちゃうのか俺? まあ、せっかくこれほどまでに沢山ミステリー読んでいるのだから、いつかはってのはなくはない、実際の所。でもまあ、興味深いのは島田荘司が本格ミステリーを高度に論理的な小説で…

虎くらい何とかなりますが・・・

『水滸伝(4) 道蛇の章』 北方謙三 さすらう宋江の、苛烈なる旅路。宋江は旅の途中、人を殺して追われている 李逵に出会う。純粋な心を持つ李逵に訪れた悲劇とは。 一方、青蓮寺は馬桂を梁山泊への密偵に仕立て上げようとしていた……。 この章でついにあの人気…

それでもテニスの王子様には敵わないが。

『エラゴン−遺志を継ぐ者』 クリストファー・パオリーニ ということで、順番が逆になってしまったものの、一応読んでみた。 作者って当時まだ19歳だったのね。確かに19歳でこんだけの質のものが書けるのなら、そりゃすごいわ。 (ただし、量で負ける気は…

That's Entertainment

『数学的にありえない』上 アダム・ファウアー 巨大な陰謀に巻き込まれた天才数学者ケイン。 窮地に追い込まれた彼の唯一最大の武器、 それは「確率的に絶対不可能な出来事」を実現させる能力だった----。 北朝鮮に追われるスパイ、謎の人体実験を続ける科学…

正しい戦争なんて、どこにもない。責任者でてこい!

『僕たちの戦争』萩原浩 “根拠なしポジティブ”の現代のフリーターと、 昭和19年の「海の若鷲」にあこがれる軍国青年が時空を超えて入れかわった! それぞれの境遇に順応しつつも、 ふたりはなんとか元の時代に戻ろうとするが…。 おもしろくてやがて切ない、愛…

報われる日は来るのか?

『北方水滸伝3−輪舞の章』 昇華する反逆の賦、裂帛の北方水滸、第三巻。 楊志は、二竜山の賊に破壊された村から孤児を拾い、 楊令と名づけた。そして賊の討伐に向かうが。 一方、少華山の史進は、頭目として活躍していたが、 心に弱さを抱えていた……。(…

よくがんばった。感動した!

『追憶のかけら』貫井徳郎 交通事故で愛妻を失った大学講師が、入手したある作家の未発 表手記。失意を乗り越えるためにも、そこに書かれていた自殺 の真相に迫ろうと、隠された真実を追いかけていくが、いつし か男の身にも降りかかってくる災厄。そこには…

ドラマ化しねぇかなぁ・・・NHKあたりで

『ねこのばば』畠中 恵 お江戸長崎屋の離れでは、若だんな一太郎が昼ごはん。 寝込んでばかりのぼっちゃんが、えっ、今日はお代わり食べるって? すべてが絶好調の長崎屋に来たのは福の神か、 それとも…(「茶巾たまご」)、 世の中には取り返せないものがある(…

北方謙三万歳!

『水滸伝』北方謙三 梁山湖に浮かぶ天然の寨には、世直しを志す者たちが集まっていた。 しかし頭領である王倫の堕落により、今は盗賊同然の集団となっている。 宋江の命を受けた林冲は、安道全とともに寨に入りこんだが、 そこには幾多の罠が待ち受けていた…

もう、面倒くさい女だなぁ

『犬吠里美の冒険』島田荘司 雪舟祭のさなか、衆人環視の総社神道宮の境内に、忽然と現れて消えた一体 の腐乱死体!残された髪の毛から死体の身元が特定され、容疑者として、ひ とりのホームレスが逮捕・起訴された―。しかし、死体は、どこに消えたの か?そし…

女の子がかわいいから許す

『ソフトタッチ・オペレーション』西澤保彦 連続する念動力による不法侵入と引っ越しの奇妙な関係、血飛沫の記憶と 母の幻影に悩む女性、男の手料理が招く連続怪死、辻褄があわないことば かりの豪邸内殺人、男子学生が巻き込まれた拉致女性が密閉空間にテレ…

やっぱサンプルははじけてないと。

『数式を使わないデータマイニング入門』岡嶋裕史 大学で来期はデータマイニングの授業があるということで、とりあえず予習しておこうと思って読んでみましたよ。数式は別に使ってもいいんだけれど、簡単そうだったので、この本をチョイス ま、非常にわかり…

背中煤けまくりの俺

『駆けてきた少女』東直己 ちょっとした行き違いからガキに腹を刺されて入院した“俺”は、 見舞いにきた自称「霊能力者」こと濱谷のオバチャンの依頼で、 女子高生の家庭調査を引き受けるハメに。 軽い気持ちで手を付けたこの一件と、 自分を刺した犯人探しと…

大事かはともかく、貴重である

『憲法九条を世界遺産に』太田光 中沢新一 実に、日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。 それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、 敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、 奇蹟の合作というべきも…

原論という言葉に値せず

『プロフェッショナル原論』波頭亮 「プロフェッショナル」とは、高度な知識と技術によって クライアントの依頼を適えるインディペンデントな職業だ。 複雑・高度化するビジネス分野において重要性を増している プロフェッショナルのあるべき姿を捉えなおす…

俺梁山泊の一人だったんじゃね、前世は。

『水滸伝 曙光の章』北方謙三 北方版『水滸伝』待望の文庫化! 北宋末期、汚濁しきった政府を倒すため、立ち上がった漢たちがいた――。 北方謙三が描く壮大な革命譚、ついに文庫版刊行。司馬遼太郎賞受賞作。 全19巻、月1冊ずつ刊行予定。(解説/北上次郎)…

ていうか本の紹介か俺の紹介かわからなくなってきた

『非対称情報の経済学』藪下史郎 2001年「非対称情報下の市場経済」という経済分析の発展に対する貢献で、 三人のアメリカの経済学者にノーベル経済学賞が与えられた。 その一人のジョセフ・スティグリッツ・コロンビア大学教授 (クリントン政権下の経済諮…

将門公の話

『QED 御霊将門』高田崇史 暖かい春の日差しのなか出掛けた桑原崇と奈々、沙織の棚旗姉妹のお花見は、 いつしか日本三大怨霊として畏怖され続ける平将門の名所行脚へと一転。 『神田明神』『将門首塚』からはじまり、茨城県そして成田山までを巡りながら、 …

起承転結

『母恋旅烏』萩原浩 レンタル家族派遣業というけったいなビジネスを営む花菱家は、 元は大衆演劇の役者一家。父・清太郎に振り回される日々に、 ケンカは絶えず借金もかさみ家計は火の車。やがて住む家すらも失い、 かつてのよしみで旅回りの一座に復帰する…

終わり30ページだけ。

『脳を鍛える筋トレ』市川他 松井秀喜、野茂英雄、若乃花、貴乃花など、数多くのアスリートの体調管理を行い、 “メイクミラクル”“メイクドラマ”時の読売巨人軍を陰で支えた市川繁之と、 駒大苫小牧の躍進を医学面からサポートした鈴木克憲の二人が、 スポー…

ふと思ったがゆでたまごももうキン肉マン以外描けないんだろうなぁ・・・

『ハードボイルド・エッグ』萩原浩 フィリップ・マーロウに憧れ、マーロウのようにいつも他人より損をする道 を選ぶことに決めた「私」と、ダイナマイト・ボディ(?)の秘書が巻き込ま れた殺人事件。タフさと優しさを秘めたハードボイルド小説の傑作。 嘘だよ…

ネタバレ感想、邪魅

『邪魅の雫』京極夏彦 「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞い ました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「──自首してください」 「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」 昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平…

帰ってきた京極

『邪魅の雫』京極夏彦 「殺してやろう」「死のうかな」「殺したよ」「殺されて仕舞い ました」「俺は人殺しなんだ」「死んだのか」「──自首してください」 「死ねばお終いなのだ」「ひとごろしは報いを受けねばならない」 昭和二十八年夏。江戸川、大磯、平…

知り難きこと、闇の如く、その備えなきを攻め、その不意に出づ

『楊家将』北方謙三 中国で、「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていなかったこの物語だが、舞台は10世紀末の中国である。宋に帰順した軍閥・楊家は、領土を北から脅かす遼と対峙するため、北辺の守りについてい…

将軍ですから

『砂漠の狐−ロンメル将軍』柘植久慶 第二次世界大戦中の最も優秀なドイツ軍人として、ロンメル将軍の名を挙げる人は多いだろう。その優れた指揮能力と巧みな戦術は、英米の連合軍を震え上がらせ、史上最強の戦車軍団をつくりあげた。本書は、「砂漠の狐」と…

メディアとしての特性

『日本沈没』小松左京 伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火…

そろそろ「日沈」読了

『一生に一度の月』小松左京 全世界が注目するアポロ月面着陸のテレビ生中継を、一緒に見ようと早々に集まった作家仲間。人類のチャンピオンに敬意を払い、壮挙の歴史的瞬間を待った。だが、間をもてあました面々は、マージャンを始め…。“月”をにぎった男を…

師匠!!

『SF魂』小松左京 『復活の日』『果てしなき流れの果に』『継ぐのは誰か?』―三十一歳でデビューするや、矢継ぎ早に大作を発表し、『日本沈没』でベストセラー作家となった日本SF界の草分け的存在。高橋和巳と酒を酌み交わした文学青年が、SFに見た「大いな…

ま、プリンスなんて柄じゃないわな。ああ、俺じゃない?

『ハリー・ポッターと謎のプリンス』J・K・ローリング ※ネタバレ伏字まあ実働2日程度で読んだかな。マンガだしね。 最上級生になり、エロエロになって、進路を決めたり悩んでいるうちにダンブルドア師匠が死んじゃったってのが話の骨子。 うーん、まとめ…

慣れると失敗もいいもんだ

『人体 失敗の進化史』遠藤英紀 「私たちヒトとは、地球の生き物として、一体何をしでかした存在なのか」二足歩行という、ある意味とんでもない移動様式を生み出した私たちヒトは、そのために身体全体にわたって、「設計図」をたくさん描き換えなくてはなら…