知り難きこと、闇の如く、その備えなきを攻め、その不意に出づ

『楊家将』北方謙三
楊家将〈上〉 (PHP文庫)
楊家将〈下〉 (PHP文庫)

中国で、「三国志」を超える壮大な歴史ロマンとして人気の「楊家将」。日本では翻訳すら出ていなかったこの物語だが、舞台は10世紀末の中国である。宋に帰順した軍閥・楊家は、領土を北から脅かす遼と対峙するため、北辺の守りについていた。建国の苦悩のなか、伝説の英雄・楊業と息子たちの熱き闘いが始まる。衝撃の登場を果たし、第38回吉川英治文学賞に輝いた北方『楊家将』、待望の文庫化。 

久しぶりの中国歴史物ナリ。もう最近PSPを電車の中でやるようになってからあまり本を読めなくなったんだけど、たまにこんな本格中華歴史物を読むとどんどん進みますな。もうPSPと両立するのが恋と仕事くらいに大変です。




最近ね、もうね。自分でもわかるんだけどなんとなくユルユルでさ。
言うまでもないがあそこの事ではない、生活とか気合とかがという意味。最低


でもそんな折に読んでまた少し喝が入ってきましたよ。やっぱ男たるものかくあるべきという武人としての魂を感じる事が出来ました。いい本だ。全力を出して戦った相手と酒を酌み交わしたくなるあたりとか。


あとちなみに、この本では戦争における戦術について細かい描写が為されています。具体的には騎馬隊の動き。敵を割るように動いたかと思えば分散し小さくまとまることで耐え、また戦況が変われば敵陣の弱いところに仕掛け、崩れたらまたそこに騎馬を集めて敵を散々に追い散らかす。戦は生き物だということは行った事のない人にはわからないでしょうが、それが実にうまく描写されているのが燃え。

将軍たるものかくあらねばという一冊でした。