メディアとしての特性

日本沈没小松左京
日本沈没 下 (小学館文庫 こ 11-2)
日本沈没 上 (小学館文庫 こ 11-1)

伊豆諸島・鳥島の東北東で一夜にして小島が海中に没した。現場調査に急行した深海潜水艇の操艇者・小野寺俊夫は、地球物理学の権威・田所博士とともに日本海溝の底で起きている深刻な異変に気づく。折から日本各地で大地震や火山の噴火が続発。日本列島に驚くべき事態が起こりつつあるという田所博士の警告を受け、政府も極秘プロジェクトをスタートさせ、日本人を全員海外へ移住させるべく、極秘裏に世界各国との交渉に入った。小野寺も姿を隠して、計画に参加するが、関東地方を未曾有の大地震が襲い、東京は壊滅状態となってしまう。そして日本沈没の日は予想外に早くやってきた。日本人は生き残れるのか。全国民必読。話題映画の原作。 

という事で、大地震の夢なぞ見ましたが、『日本沈没』読み終わりました。

いやいや、存分に小松左京を味わいつくしましたよ。確かな科学的知識に裏づけされた描写と、それだけには終わらない、SFとしての発想・空想がちゃんと存在していてコンセプト・ストーリー・記述は存分に堪能できましたよ。夢にまで見るって事はそれだけ話に入り込んで読んでいたし、入り込めたんでしょうな。つまり。

よく、マンガとか映画は画像があるから想像力が云々と言いますが今回はその典型を味わったかな。日本が消滅するストーリーのマンガなんて探せば似たようなのはいくらでもあるけれども、どんなに頑張ってもマンガではこれほどにまで深く・濃くは描写できないもの。と、小説の力を再実感した一作でした。