そろそろ「日沈」読了

『一生に一度の月』小松左京
一生に一度の月 (集英社文庫)

全世界が注目するアポロ月面着陸のテレビ生中継を、一緒に見ようと早々に集まった作家仲間。人類のチャンピオンに敬意を払い、壮挙の歴史的瞬間を待った。だが、間をもてあました面々は、マージャンを始め…。“月”をにぎった男を描く表題作ほか、近未来をテーマにした作品など。著者の原点ともいえる自由奔放な発想の切れ味鋭いショート・ショート傑作集。 

ということで、小松左京キャンペーン第1弾は表題作を含めたショートショート集です。


まあ、小松左京先生と言っても色々出しているのだけれど、この本を選んだ理由は
『・・・三台のコンピューターが、多数決方式で働いて、離着陸から運行まで全部機械がやります』という一文。これって航空機などのシステム屋さんにとっては当たり前の話なんだけどこれがサラサラと出てくるあたり、奥の深さを感じたのでショートショートにも関わらず読みました。


ショートショートの一つ一つが当時の社会問題、技術の問題を背景とした皮肉に
満ちており、面白かったですよ。こうした皮肉の延長に色々な長編があるわけで、とりあえず小松左京先生の方向はある程度わかったように思う。で、その方向は非常に知的好奇心を駆り立てられました。