慣れると失敗もいいもんだ

『人体 失敗の進化史』遠藤英紀
人体 失敗の進化史 (光文社新書)

「私たちヒトとは、地球の生き物として、一体何をしでかした存在なのか」二足歩行という、ある意味とんでもない移動様式を生み出した私たちヒトは、そのために身体全体にわたって、「設計図」をたくさん描き換えなくてはならなかった。そうして得た最大の“目玉”は、巨大で飛び切り優秀な脳だったといえるだろう。
ホモ・サピエンスの短い歴史に残されたのは、何度も消しゴムと修正液で描き換えられた、ぼろぼろになった設計図の山だ。その描き換えられた設計図の未来にはどういう運命が待っているのだろうか。引き続き、描き換えに描き換えを続けながら、私たちは進化を続けていくのだろうか。 

という話を失敗作である私が読んでみましたよ、と。

要点として大事なのは生命の設計図が祖先から渡ってきて、それを環境に適応したりすることによって進化(?)が行われ、今の人間があるということ。ただ、進化とは言ってもポジティブなものではなく、何とか少ないパーツでやりくりして無理やり適応するための進化でしかない。失敗、継ぎ足し、仕様変更の繰り返しの長屋みたいな構造だということです。
SE風に言うと、人間の体なんて仕様変更の山です


更にはユーステノプロンを本では挙げていましたが、魚類が地上に上がる過程にしても決して地上で生活したいと言う欲求が始めにあったわけではなく、器用な鰭が地上でも使えるという理由から地上に上がったと推論しています。
ソフトウェアなんかでもどうでもいい機能が実はすごい面白かったという話は枚挙に暇がありません。RPGでミニゲームの方が面白かったなんてのは良くある話です。


要は人間そのものが、つぎはぎだらけの欠陥品と変わらないという事を言ってるのですな。4足歩行だった生物が2足歩行を始めてしまった時点で様々な構造的欠陥は避けられません。肩こり、ヘルニア、腰痛、貧血、冷え性、おっぱいが垂れ下がる事。やべ、最後重要だよオイ。これもよくよく考えてみたら人間の体が如何に無理している、自然ではないかの証明ですからね。おっぱいはやっぱりツンととんがっているべきだと思います。


でも欠陥品の中のダメ人間である私はもう救いようがない、という事になります。リコール、リコール。大地に還ろう。