北方謙三万歳!

水滸伝北方謙三
水滸伝 2 替天の章 (集英社文庫)

梁山湖に浮かぶ天然の寨には、世直しを志す者たちが集まっていた。
しかし頭領である王倫の堕落により、今は盗賊同然の集団となっている。
宋江の命を受けた林冲は、安道全とともに寨に入りこんだが、
そこには幾多の罠が待ち受けていた。
一方、晁蓋は、巨額の税が賄賂として宰相に贈られることを知る。
民の苦しみの結晶であるその荷を奪うための秘策とは。
熱く血がたぎる「北方水滸伝」、第二巻。 

打虎将武松が兄嫁をレイプして自殺させ、打ちひしがれて手近な人食い虎をボコリ殺すところから物語は始まります


って、オイ!
北方水滸伝すげーよ!ハンパねーよ!文面だけ見ると犯罪としか言いようのない事をしでかしつつ、武松の内面と衝動をここまで完璧に描いてしまうなんて!
俺むしろ武松に同情しちゃったよ。そりゃ漢だもの、悲しくなるよな、めちゃくちゃしたくなるよな。こりゃ読んでみないとわからないだろうけど。

ちなみに、私自身も犯罪こそしないものの、色々と女絡みでややこしいことになってます(汗
この手の話は女の視点だとややこしくないのが普通だけどね。ま、それはどうでもいい。


あとはこの巻から青面獣楊志が登場。実は
http://d.hatena.ne.jp/rx78g/20060901#p1
で読んだ楊業の子孫だったりするって事。楊業の方を最近読んだだけに、非常に楊志の内面とかを理解できた。これもちなみに、水滸伝には関羽の子孫も出てくるから。お楽しみに。

いやー、しかし漢を書かせたら北方謙三先生はすごいわ。かっこいいだけじゃなくて、内面のもろさ、情けなさも完全に描写しているものなぁ。マジで感動。