青面獣、死す!!

水滸伝5-玄武の章』北方謙三
水滸伝 5 玄武の章 (集英社文庫 き 3-48)

うぉい!楊志!、楊志ぃ〜!


えー、軽く取り乱しましたが子供の頃の横山光輝氏に始まり、駒田信二、吉川栄治、栗本薫吉岡平と多くの水滸伝を読んできてました(後ろ二つはちょっと違う)が、私の中には(というか一般的にも)あるルールが成立していました。


『宿星の108人が揃うまでは108人誰も死なない』

というものです。これは、合体ロボコンバトラーVの合体中に敵のマグマ獣が一切攻撃してこないように、ほとんどタブーと言ってもいいルールでした。


ところが北川謙三やっちゃいました。主要キャラクターの一人である”青面獣”楊志および部下二人に対し、この巻で壮絶な最後を遂げさせました。もちろん家族との幸せな光景という死亡フラグまでつけてです。
だから読まないという決断を下すには、もう私は北方水滸伝に魅せられてしまっているので、むしろここからどうなるのかを興味深く見守っていきたいと思います。



あと、今回の感動シーンは”花和尚”魯智深の救出シーン、仲間の一人が女真族にとらわれた魯智深を救出し、舟で脱出しますが、何も見えない、夜の海の中、ただ西へ、ひたすらに櫂を漕ぎ続けるシーンが一途かつ美しく、感涙ものでした。脱出の際に傷を負い、そこからばい菌が入って腐りかけた自分の腕を”豹子頭”林沖と共に焼いて食うシーンまで含めて(笑)


あと序盤の宋江の江州脱出編もかなり面白かったなぁ。”黒旋風”李キの八面六臂の活躍とか、林沖騎馬隊の活躍ぶりとか。



いずれにしろ、ここまでやや雄伏していた感がありますが、この巻で話は大きく動き出したようです。こりゃ楽しみ。