エンドルフィン?出っ放しですよ

『栄光一途』雫井脩介
栄光一途 (幻冬舎文庫)

オリンピックを目前に控えた日本柔道強化チームのコーチ望月篠子は、
柔道界の重鎮から極秘の任務を言い渡された。「代表候補の中から、
ドーピングをしている選手を突き止めよ」重圧に堪えながら真実を
追う篠子は、スポーツ界を蝕む病に直面する。爽快な語り口と絶妙な
テンポで繰り広げられる、シリーズ第一弾。鮮烈なるデビュー作。 

テーマ、題材はかなり奇抜で興味深かったし、取材もよくしてるようで、柔道連盟やドーピング問題に関する描写・記述はかなり見応えのあった一冊。


ストーリーの展開やミステリーとしての奇抜さに関してもそこそこあるんだけど、イマイチ描写が淡々としているせいで、逆にクライマックスでは興奮が起こせてないなぁという感じ。

主人公も結局何がしたいの?的なイメージを拭えず、トータルで見るとすごい緻密なんだけど面白さとしては並という評価を下します。



などと適当な感想書いてたら『火の粉』の作者だったのね。この人
http://d.hatena.ne.jp/rx78g/20060419
そうだなぁ、火の粉は心理描写が凄まじく細かくて面白かったんだなぁ。

でも、何故かこの作品では心理描写はあるんだけど、生々しさはないなぁ。
オリンピック選手だからってのがあるんだろうな。