論理的でも損するだけでした

『論より詭弁 -反論理的思考のすすめ-』香西秀信
論より詭弁 反論理的思考のすすめ (光文社新書)

みなさん、今まで、論理的に考えてきて、何かトクしたことありますか?
 論理学で虚偽あるいは詭弁と名指されてきた論法を主な材料として、
論理的思考をレトリックの立場から批判的に検討する。
議論力・反論力が身につく一冊。 

島田荘司氏の本を読んで「やっぱ論理性」だよね。とか思っていた直後に本屋で見かけ、
「私の言説が論理的である事を論理的に証明するためには、反論理的である事を検証した上で反論理的でない事を証明すれば、論理的であると論理的に証明できる」
などと論理的に考えたので、こりゃ論理的に買わなきゃ論理的じゃないだろうと言う事で、一般社会で認められているルールを論理的に検証して承諾した後に、本を手に取りレジに持っていき、お金を払うという論理的に売買と証明できる行為を行って所有権を獲得した後に論理的に考察しながら読みました。
(問題;「論理的」の意味が論理的に成り立たない箇所があるので論理的に証明せよ)


さて、もう「論理的」とタイプするのに飽きたので普通に感想を書いていきます。

虚偽、詭弁など「反論理的」と言われる用法はいろいろありますが、この本はそれらについて解説し、かつ肯定しているという珍しい趣旨の本です。これら反論理的と呼ばれる用法としては

  • 威嚇・脅迫(納得しないと仕事あげないよ的発言)
  • 事実と意見の混同(鯨が知能が高い事と、捕鯨禁止の主張)
  • 並行させる事によって成り立たなくなる複数の根拠(ボランティアは社会的義務である事と内申書に有効という2つの根拠)
  • 詭弁としての非難(勢力のある側への一方的な詭弁としての非難。そうでない場合は頭の回転の早い人になる)
  • 人に訴える議論(タバコは良くないと批判する喫煙者)

まあ、こんな感じ。ちょっと一見ではわけわかめですが、いずれも論理的とは言えないものである事はちょっと考えれば明白なのですが・・・


まあ、でも説得する時や主張する時ってこれらの方法を使うよね、純粋に論理的なだけだったら気持ち悪いよねという批判、主張ですた。

一見難しいけど、かなりわかりやすく解説していて、反論理的思考のすすめというよりは説得術の解説と言っても差し支えなさそうな一冊です。