読後感の悪さが逆にクセになりそうだ

『噂』 荻原 浩
噂 (新潮文庫)

レインマンが出没して、女のコの足首を切っちゃうんだ。でもね、ミリエルをつけてると狙われないんだって」。香水の新ブランドを売り出すため、渋谷でモニターの女子高生がスカウトされた。口コミを利用し、噂を広めるのが狙いだった。販売戦略どおり、噂は都市伝説化し、香水は大ヒットするが、やがて噂は現実となり、足首のない少女の遺体が発見された。衝撃の結末を迎えるサイコ・サスペンス。

ちゃんと本は読んでまして、この本の後に空振り2連発が続くのですが、とりあえずここまでは面白かった。


筋書きとしては、最近ではやや当たり前になってきた異常な連続殺人を追う刑事(一人娘あり)の視点でストーリーは展開していきます。
文章の巧みさ、完成度が高いのはここまで何度も誉めている通りなのでストーリーを楽しみながらじっくり読んでいくことができました。



が・・・


読後感が最悪・・・

そもそも、小説を読むという行為は海に潜るのと近い行為です。地上からザバンと小説の提示する「海」に飛び込み、海が提示する様々な物、景色を探索しますがいずれは水面から顔を出して、現実に戻ってこなければならない。


ところが、顔を出した時、足首がむんずと掴まれて引っ張られ、また海底に引き戻されたんですよ、この本。
何とかじたばたして地上には戻ってこれたものの、軽く寝付きが悪くなりましたよ