なんかすごいっぽい

ウェブ進化論梅田望夫
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

しがないプログラマーとして日々Webアプリケーションを作ったり講義したりしている毎日ですが最近は「Web2.0」という言葉が流行っているらしい。で、その出典元としてこの本があったのでタマには真面目な本をと思って読んでました。実は結構注目されているらしく、うちの先生も読んでいて鼻の穴を60倍くらいに拡大させながら「すっごい面白いんだよ、この本」と目を輝かせていたので軽く誇らしげになってみた初春。


元々シリコンバレーだのMBAだのネットベンチャーだのは一通り見てきたのでこの手の話は基本的には眉に唾つけながら聞くのようにしてますが、それでも結構面白かったです。いろいろと「変わった、変わりつつある」感を受けました。


インターネットの普及によって新聞がなくなるだの、電話がなくなるだのグローバルブレインだの地球ガイア仮説だのニュータイプだの(最後2つはあまり関係ない)社会構造は大きく変革していくと言われながら約20年。現実には大して変わっちゃいない。などと思っていました。
しかし注視してみると実は変わっているんだよ、と言うのが序盤の主張。特にインターネットだけでなく、これに「チープ革命」(半導体関連機器の性能向上と価格の低下)、「オープンソース」(誰でも入手・改編できるソフトウェアの普及)を加える事によって少なくともビジネス上は大きな変化があったと述べています。詳しくは読め。説明めんどい。


このような変化を象徴する企業として、筆者はグーグルを挙げ、中盤で長々と褒め殺していきます。うん、そうにしか読めない。
とは言え、話半分にしたとしてもグーグルが既存の企業とは大きく異なるタイプの企業であろう事は読み取れる。
要点はグーグルが「ネットのあちら側に巨大な情報発電所を作り、それによって検索を始めとしたサービスを提供している」というところ。この「あちら側」というのが重要です。、既存の企業、例えばIBM等もネットの「こちら側」つまり現実世界にごっついサーバーとソフトウェアを置く事をベースとして成り立っている。しかしそれに対してグーグルは「あちら側」つまりバーチャルに人と人、情報と情報が絡み合っている世界においてサービスを提供しようとしている。