要するに打ち切りだ

さて、前回はプロデューサー交代の原因となった(可能性が一番高い)玩具売り上げの低下から個人的な響鬼の感想を述べました。要は完成度は高いけれども、「仮面ライダー」という記号から外れすぎ、かつ太鼓も興奮できなかったというところです。


(私にとって)欠点としては実際上記の点くらいしか見つかりません。もちろん、プロデューサー交代劇による脚本・ストーリーの質の低下は挙げられますが、作品そのものが持つ構造的な要因とはいえないので外します。

逆に、敵である魔化魍を男女+子供から構成し、奇妙で恐ろしいがそれでいて人間味のあるという日本古来の妖怪を綺麗に描いてみたり(ああ、ごめん「綺麗に」だけはCGがあれだったので撤回)、仮面ライダーを職業として描くという無駄なリアリティ、あと前回も述べたカワイイディスクアニマル等作品としての長所はいくらでもあります。

おまけに、これまでの仮面ライダーと違いイケメンではなくオッサン(身も蓋もない)を主役に起用することで演技力の不安を克服するところ、いずれにしろ総じてキャストの演技力に不満もありません、女性陣もおっぱいのあきら、美人エンジニアみどりさんと実に多彩かつ(下半身的に)魅力的です。そこでも下ネタかよ。

  • でもってストーリーについて

と、このように個別の要素を挙げ連ねれば非常に質が高いです。しかし、どんなに材料が良くても調理の仕方を間違えれば食えない物が出来るという事を教えてくれました。悲しいことだけどね

ということでストーリーについて述べていきます。

  • 基本的なストーリーの骨子
仮面ライダーを職業として位置づけ、発生する魔化魍を退治する仕事
をしている(公務員か会社員かは不明です。吉野の総本山が国からの
予算で運営しているのか、民間企業なのか一切不明です)

どうしても今までは「仮面ライダーって何して暮らしてんだ?」という疑問が付きまとっていたので、これらに対する解決にはなったと思いますが、どっかで述べたようにリアリティがあり過ぎてヒーローっぽく感じないのが問題です。『仮面ライダー龍騎』と違って「戦う」「戦わない」で悩めません。仕事でそれやったらクビですし・・・

  • 高校生との交流
骨子に基づいて仮面ライダーである3人(響鬼、イブキ、轟鬼)
とそれを支える人々(甘味処「たちばな」)達と高校生
(明日夢、モッチー、キリヤ達)の交流が描かれる

しかし、どうしてもここの部分に関してはキリヤ参入で30話以降ぐっちゃんぐっちゃんになったのであまり分析したくないんですけど・・・

30話より前の流れはまったりとした日本人的しっとりとした交流でした。鬼という特殊な職業を眺めながら時々万引き高校生に絡まれたりして悩んで、相談されてみたり。しかし、キリヤが参入してきてわびもさびも無くなります。「弟子にしろ、俺お買い得ですよ、損しますよ」と話は加速度的に進んだけど色々置いてけぼりにして結局最悪の地点に着陸したという感を否めません。まあそういう意味では一番の犠牲は明日夢だと思うけど。

  • 話の落着点
最後には高校生それぞれが進路を見つけ、
鬼という職業は変わらず存在するというオチもといエンディング

ここに関してはどうしても納得いかない事だらけです。結局魔化魍というのは何だったのか?オロチって何なのさ?謎の男女は何者だったのか?その目的は?どうしてキリヤがあっさり弟子になって変身までできてしまうの?あきらの立場は?ていうかあきらが弟子やめた意味は?



つまり
高校生が仮面ライダーと友達になって弟子になったりするけど敵はまだ生きてるよハイこれが要約です。

ああ、これって「僕達の戦いはこれからだ!」ENDに通じるものがあるのか。道理で納得いかないわけだ。イメージ的に打ち切りなんだな。