『Φは壊れたね』森博嗣

Φは壊れたね (講談社ノベルス)

Φどころか人としての尊厳までぶっ壊れているんじゃないかと最近思っていますが、久しぶりに森先生の小説を読みました。


しばらくは読んでいなかった理由として最初の『F』にあったような、トゥリビアル(トリビアという言葉で最近この言葉も有名になってしまいましたがね)な記述、そして科学者的な問い掛け(と言うべきか?)が気がついたら「難しい事を美しく言っているだけ」に置き換わってしまいしばらく敬遠していたからです。

しかし、本でタイトルを見て何となく『全てがFになる』を思わせるタイトルであること(類似点:記号がタイトルに入っている事)から原点回帰の予感を感じ、購入した次第です。

完全とはいかないまでも、少し原点回帰っぽいかなと思いながら読み進めていましたが、馬鹿な私には結局「Φ」の意味がわからず(何故、空集合をモノであるかのように扱い、壊れたと表現するのか?)、森先生の意図を充分に読み取ることができませんでした。私は健康に過ぎたのでしょうか?(それはどうでもいい)

とは言え、次以降もシリーズは続いていくようですし、折角だからまた付き合おうかなと思っている次第。