『神のふたつの貌(かお)』

『神のふたつの貌(かお)』貫井徳郎 文春文庫 
神のふたつの貌 (文春文庫)

こまったときは有栖川か貫井。これ最近の合言葉なんですが、今回の貫井先生は違った。まさしく現代版『罪と×』もとい『罪と罰』とも言うべき良作でした。

この本は厳格な牧師の息子として生まれ、痛覚障害を負っている早乙女という男を中心として物語を展開しています。牧師の息子として生まれたのですが、父や他の信者達のように神の存在を無条件に信じることができず、そのための懊悩を繰り返し、殺人に至ります。
ミステリーなんで一応謎解きは絡んでいるのですが,それ以上に面白かったのが、前編の7割以上がこの早乙女の「神は本当に存在しているのか?存在しているなら何故私は神の声を聞くことが出来ないのだ」というテーマの心理描写(というよりは懊悩描写)で構成されているんですな。これが淡々と、それでいて小難しい、頭でっかちの神学談義に落ちることなく、深遠なテーマでありながら読みやすく展開されてきます。
読みながら考えさせられましたからね。それだけ、深く引き込まれるということです。
別に謎解きがすごいとか、キャラクターが良いとか、女の子萌えとかそういうのではなくて、作品としてテーマがあり、それに引き込まれるという作品は最近じゃ珍しいよなぁ。特に小説・マンガではと思っていたので、良い本にめぐり合えました。素人と、読書家気取りにはオススメしませんが。

振り返ると、ここ1年女性関係では不作きわまってますが、文化的にはとても恵まれているような気がします。ロードオブザリングも歴史に残る名作だったし、本を読んでみればいろいろ発見があるしで。
でも、そろそろ飽きたので彼女欲しいです(オイ)。

ちなみに、タイトルの貌と言う文字、「相貌」でやっと出したのですが、「かお」で変換すると・・・
 _| ̄|○
 へ (; ´Д゜)ノ
 ((((;゜Д゜)))ガクガクブルブル
 (;´Д`)ハァハァ
 (´・ω・`)
もう嫌になってきました・・・