『剣豪全史』光文社新書 牧秀彦 読了

剣豪全史 (光文社新書)
えーと、結論から言うと、つまんね。

筆者の牧氏は元東芝の方で雑誌社を経て、時代小説家になった方らしいんですが、全史の名前のとおり剣豪とそれを取り巻く歴史についてそれそのものはかなり細かい点まで解説してあり、面白かったのですが。


それ以前に読み物としてはつまんなかったです。


剣豪について解説しているのですが、「現代に置き換えるとサラリーマンが」「ベンチャーが」とかていう言い回しが嫌いです。大嫌いです。無理やり現代に置き換えなくてもいいです。そんなに読んでいる人は愚かではないと思うし、せっかく剣豪のロマンに浸っているのに「サラリーマン」とか言わないで下さい。この手の「無理やり現代語訳」が随所に現れていて、読んでいてどんどん温度が下がっていきました。

あげくの果てには「私の人生に置き換えると大企業から脱却して」とか塚原ト伝の人生を無理やりそっち方向に持っていかないでと思います。あんまりそういう風に持ってこられても、飲み屋のオヤジの自慢話を聞くのと同じで興が冷めます。せっかく、剣豪の生き様を楽しんでいるのに(泣)


というわけで、読み物としては危険なレベルまで温度が下がったのですが、資料としては申し分のない出来でした。今まで、漫画や小説ででてきた剣術の流派が歴史的変遷と共に見直すことができ、そこは(そこは)とても価値のある本だと思います。


っと、作者のプロフィール 
夢想神伝流居合四段」


どうしよう、斬られるかも・・・