第1回ニートってそういうことだったのか会議

ニートって言うな!』本田由紀 内藤朝雄 後藤和智
「ニート」って言うな! (光文社新書)

一人目の本田氏は上述の要旨を統計的データと抽象化したモデル(図式)を併用して分かりやすく説明しています。特にニート・ひきこもり・不良・フリーターなど若者の就業形態について分類を行い、前提を整理した上で問題点や解決策としての雇用形態を提案しています。

問題点のポイントは、「学校経由の就職」が多すぎると述べています。
大学生活でキャリアに基づく活動をしないで3年生になるとさあ就職活動ってのが不自然なんですよね。しかも、失敗してどこにも就職できないと落伍者の烙印を押されますからそりゃ学生も流されるまま必死になって就職活動するんでしょうね。更に企業の方もぶっちゃけ学生なんか見ちゃいない。ところが三者三様に言い分はあります。

企業の言い分;「就職活動で来る学生なんて能力的に大した違いなんてあるわけないよ。学生だってそんな意識ないし、大学がそう育成してないんだから。」
学生の言い分;「専門的能力なんて言ってもよくわからないし、大学じゃ教えてくれない。ゆっくり就職活動したくても企業だって新卒しか取らないじゃない?」
大学の言い分;「学生はマトモに講義に出ようとしないし、企業だってこっちがちゃんと実践的な教育をしたいのに協力してくれないじゃないか。」

最近「産学協同による人材育成」なんてプロジェクトをやっていたので、こんな意見になりました。こうなります。


本田氏はこのような状況に対し、以下の2本の柱で「新しい雇用形態」を提案します。

  • 正社員・準社員などへの柔軟な移動が行える雇用構造
  • 「学校経由の就職」の縮減
  • フリーターの積極的な正社員化
  • 専門高校の拡大

企業は採用形態を多様化させ、学生は専門的な教育を受ける意識をもち、教育機関が学術的なだけではない専門的スキルを教育しろということです。簡単な事なのに何故できないんだろう?

少なくとも私自身は危ういながら達成しています。専門的知識を自ら学んだし、就職活動せず小さいながらも自分で会社回して大企業と仕事してるし。俺も大学生活はもっといちゃいちゃしたかったがな!!ラブワゴンで真実の愛を探したかったわ!!『ロンドンハーツ』とか『キスイヤ』に出演したかったがな!

ただ、自分の力だけではなく機会を伴っていたのも事実であって、そういう機会がなければ高確率でニートになっていたんじゃないか俺。と言うよりは「自分が正しいと思う就業スタイルに適応する機会(就職だけでなく教育も)」に遭遇しなかった人がニートになるのでは?