フジテレビ解説者=曹操
三国志と言えば、男子必修の学問です。学んでいない男は今すぐ宦官になるべきです。
中でも曹操は人気があり、私の大学時代の先輩などは曹操に憧れて自分の子供に「蒼天」という名前をつけました(当時『蒼天航路』が流行っていたため。)。今いろんな意味でどうなってるのかわかりませんが、2000年近く前でありながら人の一生に影響を与えるだけの偉人である事は言うまでもありません。
さて、曹操ですが歴史的には『孫子』に注釈を与えた事で知られています。難解でもなかったんだけど『孫子』に時代独自の解釈を与え、兵法として活かそうという姿勢は今でも見習うべきところがあります。
で、この本はそれを和訳したものです。
注釈した事は知っていましたが、具体的にどんな注釈を与えたのかが気になっていたので読んでみることにしましたがつまんね。
(急転直下でオチ直行)
文章の構成としては孫子の1章につき
となっていましたが、はっきり言って読みにくい事この上ない構成です。
文と解説が離れているおかげでいちいち解説ページに言って読まなければならない。解説の方が内容が濃いので読まずにはいられません。
また、和訳『孫子』ですが明らかに他の文献とは異なる解釈をしている上に噛み砕きすぎて逆に意味不明になっている箇所も多い。原文があればいいのですが、原文を載せずに和訳だけ載せても字面だけの言葉になってしまい、注釈本としての緻密さを損なっています。銀雀版がどうの宋本がどうのとこだわりながらも原文を載せないのは愚かとしか言いようもない。
でもってこの一言コメントの曹操がエライ馬鹿なんですよ。これがつまらない理由の最有力候補。
何が起きるかわからない戦場では、教科書通りの作戦判断は通用しないということだ
どこの軍曹ですか曹操様?
フジテレビのバレーボール中継と大差ない解説っぷりです。もう少し自分の戦歴との比較分析をしながら一面には同意、一面には異議を唱えつつもしっかりとした兵法を論じて欲しかったものです。