『ブレイド』総括

総評
 仮面ライダーブレイドという作品全体に対する感想ですが

序盤はオンドゥル以外に見るべきものはなかったが、中盤以降盛り上がりを見せた。そして最後のどんでん返しが衝撃

一言で言ったらこのようになりました。

序盤はデカレンジャーの方が面白かったという点と敵であるアンデッドが下級揃いなので敵役として弱かったというのが理由です。橘vsピーコックは良かったんだけどね。
後半(夏以降)はレンゲルの加入、物語の全容が明かされていくということもあって盛り上がってきました。何より上級アンデッドがこれでもかとばかりに登場し、話を彩ってくれたと思います。(新フォームはジャック・キング合わせてあまり感動はしなかったんだけど)
むしろ敵役のキャラクターの差別化、細かさが後半を面白くした重要な要因であると思われます。嶋さん、虎姉さん、ギラファアンデッド、象など上げていけば枚挙に暇がありませんな。

ストーリーとして見ると一部を除いて伏線が3話しないうちに明かされたり、子供向け要素を強くするあまりストーリー的にムリがある点や正道に過ぎるストーリーが玉にキズでした。ワイルドカリス周辺の伏線、イーグルアンデッド伏線はすぐに決着がついてしまいました。一方では最強のアンデッドとして悪の組織のボス天王寺ケルベロスなんかは正道に過ぎたのでは。
しかし、最後のどんでん返しでうまく引っくり返せたと思います。
伏線の早期回収に努めたため、555よりはきっちりと風呂敷を畳めたこともあり最後だけに関して言えば は555よりも高く評価できるのは言うまでもありません。ただしそれまで(最後までの流れ)に関してはテーマに対する個人的な好みもあるので555にギリギリ軍配があがります。

テーマですが、バトルファイトというわかりやすい舞台設定を置きつつ、人間と非人間との戦い、交流を描いたのは仮面ライダーらしいと思います。特に人間→アンデッドとなった主人公剣崎とアンデッド→人間として生きることを望んだ始(カリス)は対照的な流れになりました。ただ、これも最後でこうなったから言えることで、そのままジョーカー倒して終わりとかだったら評価は最悪だったと思います。劇場版の流れから言えばそれも多くの人たちにとっては納得できる最後かもしれませんけどね!

最後を「どんでん返し」と言う点については意見は分かれてしまうかもしれませんね。ただし、視聴者の多くは映画に繋がるラストを想定していたわけで、そういう意味ではどんでん返しでしょう。視聴者の期待を裏切るのも冒険ではありますが、成功だったのではないかなと思います。
龍騎はどんでん返しとまではいかないものの、ライダー全員死亡という救えないラストを置きつつ、パラレルワールドとして皆が幸せになる世界を描き、救いを残していました。
主人公に救いがない(これから一生アンデッドとして生きなければならない)という点では悲哀に満ちたラストでしょう。でもそれを笑顔を持って受け入れるテレビ朝日公式サイトでの剣崎の姿に私たちは救われると思います。