古事記を読む

『楽しい古事記』 阿刀田高 角川文庫
楽しい古事記 (角川文庫)
自分のルーツを探るフェアの第2弾はベテラン阿刀田高氏による『楽しい古事記』です。前回の『日本の神々』で神様達は列挙できましたが、じゃあそれらの神々がどのように関わっているのか、ということは「古事記」「日本書紀」で記されていますが、当然原本は読み難いということで、エッセイ風に紹介しているこれを読んでみました。


多分、これ古事記そのものが私にとって面白くないんだろうな。「殺して」「歌って」「まぐわって」のオンパレードなのでワンパターンです。ある意味ドラゴンボール並。もうちっとギリシャ神話などの方がイキイキしているような気もします。あとは、日本の場合神々が多い分個性が見えない、名前もわかりにくいしね。


何より、古事記日本書紀天皇家の正当性を証明するために作られたというのがポイントかもしれません。おかげでやたら長寿の天皇がいます。神秘的で良いかと思いますが(フォロー)。古事記と言えば、アマテラスの天岩戸、ヤマタノオロチなどが有名ですが、それは古事記の上巻の神代の話です。下巻ともなると、天皇の系譜(第15代くらいまでかな)のやれ誰とやっただの、やれどこの敵を倒しただのという話が続出します。ストーリー性のある神話というよりは事実(?)を列挙していく形に近くなりますから、イマイチ感動できないのだな。これが。歌を詠んだりもしますが、当時の人間ではないので(当たり前)、情緒を共有できないためあまり意味がない。
もしかすると、半端に端折ったものより本文を読むしかないかもしれません。古事記の原文・・・国会図書館まで足を運べばありそうですな。