心理描写がバカうま

『火の粉』雫井修介
火の粉 (幻冬舎文庫)

また久しぶりに小説を読んだら一気に読んでしまいましたよ。

元裁判官・梶間勲の隣家に、二年前に無罪判決を下した男・武内真伍
が越してきた。愛嬌ある笑顔、気の効いた贈り物、老人介護の手伝い…。
武内は溢れんばかりの善意で梶間家の人々の心をつかむ。
しかし、梶間家の周辺で次々と不可解な事件が起こり・・

という筋書き、隣の家に越してきた人が何か怖いてのが筋書きでまあよくある話といえばよくある話なんだけど、細かい心理描写(特に梶間家の祖母・娘の女性に関するもの)が秀逸です。軽く嫁姑とか、子育てとか。気がついたらモスバーガーで3時間費やしていましたよ。

ここら辺は社会派の要素こそあまり強くはないものの、宮部みゆきに似たものがありますな。いや、一応裁判官と死刑・冤罪の問題については切り込んでいるか。

しばらく真面目な本を読んでるとどうしてもエンターテイメントを求めるものですね。私の脳は。