『男たちの大和』

とりあえず一緒に観た人におっさん、おばちゃんが多かったのは予想通りですが、タイトルに『男たち』とある以上、避けては通れないので大和魂を鑑賞してきました。

まあ本筋に戻り戦艦大和と言えば世界最大の戦艦でありながら乗組員もろともその辿った運命は悲劇に彩られています。(潔く散るところはよくよく考えたら白虎隊、忠臣蔵に通じるものがありますな)
で映画は大和唯一の生き残りの視点から大和の運命を描いています。上司に反町と中村獅童がいましたが、二人とも名演技で邦画・ドラマによくある大根は全く発見できなかったです。男らしくて優しい反町とやんちゃで無鉄砲な中村獅童、それと主人公を視点にしつつ大和とその乗務員の運命とそれに対する煩悶・覚悟を描いています。


まあとにかく印象的だったのは大和のグゥレイトっぷりと戦闘シーンの壮絶さです。

まあ、デカいだの主砲がズンズン子宮に来るわんとかは今更言うまでも無いですが、問題はその人の数です。
えーと、想像してみてください。今の時代は技術が進歩していますから、たとえば車でも車体全体を電気が流れ、それによって動きますね。電気回路の塊です。至極当たり前

それ全部人

ね、大和凄いでしょう。
たとえば機関砲座(主人公がここの分担でしたが)に弾薬交換(1砲につき一人で3人、運搬係1人)、照準(仰角、方向各1人)、照準指示(1人)とついています。ぶっちゃけ我々がコンピューターで出来る事を人でやっています。主砲なんかもっと凄い事になってるし。
まあ非効率と笑う事なかれ。それだけの人力を動員して一つの戦艦をまるで生き物のように動かすということを考えれば大和とその乗務員達の凄さは圧倒させられます。人の生き死にのかかっていないプロジェクトマネジメント程度でごちゃごちゃ抜かすな、と。

ただ、悲劇な事に上記機関砲座なぞはほとんど人の部分がむきだしですから、戦闘機の機銃によって人が死に、あっさり沈黙しています。それ故に戦いの壮絶さが際立つんですけど。

それだけの力を集め、そしてその命が壮絶に散っていった事を考えると、安易に戦争とか言えなくなってしまいました。真面目な話。